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【ルアーブランディング】ボトムアップ・ビーブル 2

バス釣りをしながら少し真面目にマーケティングについて考えてみた #16
みなさんこんにちは。プランナーの昆です。
バスフィッシング界では、季節の変わり目の雨は季節の進行を助ける、といわれますが、まさに今は夏本番を目前にした天候のように思います。
私は久しぶりに高滝湖に遠征釣行をしてきました。
前乗りし、前日の夜中から湖の駐車場で待機していたのですが、豪雨と雷まで鳴り、明けて当日は高滝湖で開催予定だったボートの大会が中止されるほどの強風といった荒れ模様でした。
そんなコンディションだったのでスピニングの釣りはあきらめ、ベイトタックルにビーブルをつけてサーチをしていたのですが、とある有名ポイントに風で流された竹がたまっていました。何気なく隙間にビーブルを落とし込むと、ぐーっとルアーが持って行かれる感覚が。
「ごみに引っかかったな。」
この油断の塊のような想いと共にロッドを持ち上げると、ビーブルのフックには目測40cmはありそうなバスが!
ごみだと思っていた私は当然フッキングをしていないので、バスは水中に帰っていきました。
そしてそれがこの日に見た最後のバスの姿でした。。。

開発者・川村光大郎プロが語るビーブル


※ボトムアップ公式webサイトより引用
前回(【ルアーブランディング】ボトムアップ・ビーブル)は現在のバスフィッシング界で活躍している各メーカーのスピナーベイトをご紹介しました。
ここで各メーカーのスピナーベイトの特徴とイメージをおさらいします。
※私個人の見解です
【ノリーズ】クリスタルS
アクション:強いフラッシング、豊富な種類(シリーズ化)、田辺哲男
イメージ :ザ・スタンダード、ジャンルのリーダー
【O.S.P】ハイピッチャー
アクション:コンパクト、素早いレスポンス、リーズナブル
イメージ :日本のフィールドにアジャスト、どのお店にも売っている
【レイドジャパン】レベルスピン
アクション:水平姿勢、スカートへのこだわり、高価
イメージ :岸釣り仕様、高級
【ダイワ】スティーズスピナーベイト
アクション:適度な引き感、優れたバランス
イメージ :万能型、スタンダード
【エバーグリーン】Dゾーン
アクション:強振動、細いアーム、トーナメント仕様
イメージ :超本気の時に登場、諸刃の剣
【ガンクラフト】キラーズベイト
アクション:プラスワンブレード、プラスワンアーム
イメージ :かっこいい、変化球、異端
【ディスタイル】D-SPIKER
アクション:極薄ブレード、可動式アッパーアーム
イメージ :フィネス、青木大介、バランス型
こういったライバルたち対して、ビーブルの特徴を挙げてみます。
これにはビーブルの開発者である川村光大郎プロがボトムアップ公式webサイトのコラムで詳しく説明しています。
いつも川村プロのコラムには誠実・丁寧な人柄が本当に表現されていると感じます。適切な言葉、読みやすい言い回し、テキストの長さと、文字を扱う者として心から尊敬します。
ビーブル パーツへのコダワリ〜スプリッター&ブレード編〜
ビーブル パーツへのコダワリ〜ボディ編〜
ビーブル パーツへのコダワリ〜アーム編〜
コラムから読み取れる特徴をまとめる前に感じたことがひとつあります。コラム内に「スピナーベイト」のワードがあまり出てこないことです。
一般的にブログなどのwebページに検索ワードを多く(適切に)盛り込むことは、上位表示を目指すSEO対策において必須であるといえます。その上でルアージャンル名である「スピナーベイト」を意識していないように感じるのは、無意識に「ビーブル」という唯一無二のジャンルであることを表現しているのでしょうか。
2020年のジャパンフィッシングショーでお会いできたら聞いてみたいと思います。

ビーブルの強み


話を戻し、川村プロが語るビーブルの特徴をまとめると、おおむねこのような次のようになります。
・「スプリッター(写真の「3/8OZ」と書いてあるパーツ)」がビーブルの性能上の核心である
・でもスプリッターありきのルアーではない
・回転レスポンスが髙いブレード
・ブレードカラーも近年のハイプレッシャー化を意識した
・スリ抜けの良さを追求したヘッド形状
・低速〜高速まで対応したバランスの良さ
・リアルな目玉、シェイプ
・強度&貫通性能を突き詰めたフック
・スプリッターとの相性にこだわったスカート
・リアルさとフッキング性能を両立したスイミング姿勢
・ブレードの最適なアクションを引き出しつつ全体はコンパクトに保つ
・引き心地とアクション性能を発揮するブレードの太さ
ざっとまとめただけでもこれだとの特徴が詰まっているビーブル。
ユーザーはこれを読んで評価をし、購入を決めます。
が、評価を購入の間にもう一つファクターがあります。
それは、「価値」。
この強みがどんな価値をもたらすのかがユーザーがルアーに抱く期待です。
もちろんルアーの性能を吟味せずに購入するユーザーもいるでしょう。
例えばボトムアップのファン、川村プロのファンです。この場合はメーカーや川村プロ自身が価値となってることになります。釣りが上手い、技術が高い川村プロが使っているなら・・・という感じです。言い換えると圧倒的なスキルを持つ川村プロの価値を保つ、またはさらに向上させるためのビーブルといえるのかもしれません。
ルアーの価値としては、当然「ブラックバスを釣る体験を提供する」ことですが、これは全ルアーに当てはまるので身も蓋もないといえます。
私が感じる価値は、
「どんな時でも」釣れるスピナーベイト
です。
スピナーベイトはその特性上、平均的にルアーパワーが強いジャンルのルアーになりますが、その中でも集魚力を強めたり、逆にアクションを控えめにしてハイプレッシャーに対応したりと個々による性能差があります。
その上でビーブルはどんなときでも高いアクションを発揮する、「究極のオールラウンド」なスピナーベイトであると思います。
これは、持ち歩けるタックル数に限りがある岸釣りをメインとする川村プロのスキルを最大限に発揮するためのルアーではないでしょうか。

強みと価値

このように、アイテムに関わらず、どんなサービスにおいてもライバルにはない強みがあり、これを見いだすことが重要であるといえます。
そしてその強みがユーザーにとってどんな価値を提供できるのか、を伝えることでユーザーが自社製品やサービスを選択してくれます。
それを情緒的に伝えることを考えると、川村プロが【「どんな時でも」釣れるスピナーベイト】というある意味安易な表現を用いないことがさらにビーブルの価値を高めているのではないでしょうか。

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